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ファントホッフの式の導出

何を思ったかファントホッフの式の導出をしたいと今日、思いつきました。
整形ネタではないのですが

微分積分すら忘れてしまったので復習がてらブログを書こうと思います。

ファントホッフの式とは浸透圧の法則のことで
1. 浸透圧とは
浸透圧 (π) は、溶液と純溶媒を半透膜で分けたときに、溶液側に発生する圧力を指します。この圧力は、溶媒分子が濃度の低い側から高い側へ拡散しようとするために生じます。

2. ファントホッフの浸透圧の法則
ファントホッフは、理想気体の状態方程式 (PV=nRT) を基にして、浸透圧を次のように表しました:
π=iCRT
式の各成分
π:浸透圧 (Pa)
i:ファントホッフ因子(電解質の場合の解離度に関連)
C:溶液のモル濃度 (mol/L)
R:気体定数 (8.314Jmol −1 K −1 )
T:絶対温度 (K)

この式を理解するにはエントロピーやヘルムホルツの自由エネルギー、化学ポテンシャルについて理解しなければいけません。

意味不明と思われる方も大勢いると思います。
復習なので、なるべくわかるように解説していきます。

そもそも
力ってなに?
からいきます。

1.力とは
力とは物質を加速させるもとです。
F=ma
aは加速度
mは質量
物が重いほど力は必要ですし
加速させる量ほど力は必要なのでなんとなく理解できると思います。

物理は基本的に実験によって関係性が導かれました。

実験によってFはmとaに比例することが分かったので
F=ma
となるわけです。
それを体感に基づいて感覚に落とし込むと理解がすすみます。

次に内部エネルギーについて考える

熱いスープを考えて
運動エネルギー 位置エネルギーともにゼロなのに
さわると手の温度が上昇する
→エネルギーがある!!→これが内部エネルギー
E=E運動+E位置+U

これを理解する前にまずPV=nRTを導く必要がある。
どんどん遡りますね(汗

PV=nRTに関してはこちらに記載しました

内部エネルギーを理解するために、次に温度と運動エネルギーの関係を導きます。
壁に衝突する1つの分子の運動量変化
質量 の1つの気体分子が、速度成分 を持って容器の壁(垂直方向)に衝突するとします。

衝突前の運動量:
Pbefore=mVx
衝突後の運動量:
Pafter=−mVx

したがって、運動量の変化は:

Δp=Pafter−Pbefore=−2mVx

壁に与える力の計算
1つの分子が時間 Δtの間に壁に衝突する回数を考えます。衝突までの間に2Lの長さをVxで進むので
衝突回数
VxΔt/2L

ここで Lは容器の一辺の長さ(立方体容器を仮定)。

1個の分子がΔtの間に壁に洗える力積の総和は
2mVx × VxΔt/2L=mVx²/L × Δt

時間的平均のf=mVx²/L × Δt ÷ Δt=mVx²/L

​全分子による圧力
容器内に N 個の分子が存在し、それぞれ異なる速度成分を持つと仮定します。

平均速度成分を ⟨Vx²⟩ とすると、全分子が壁に与える力の合計は:
F total = Nm ⟨Vx²⟩/L

圧力 は、単位面積あたりの力として定義されるため:

P= F total/A

ここで
A は壁の面積であり、容器の体積

V は
V=L³
A=L²

を使うと:

P=Nm ⟨Vx²⟩/L × /A=Nm ⟨Vx²⟩/L³=Nm ⟨Vx²⟩/V

分子運動は全方向に等しいため:

⟨Vx²⟩=⟨Vy²⟩=⟨Vz²⟩

全方向の速度の二乗平均 ⟨2⟩は次の関係を満たします:⟨V²⟩=⟨Vx²⟩+⟨Vy²⟩+⟨Vz²⟩=3⟨Vx²⟩

したがって:
⟨Vx²⟩=⟨v²​⟩/3

これを圧力の式に代入すると:

P=Nm⟨v²​⟩/3 ×/V

これによりPV=Nm⟨v²​⟩/3

理想気体では
PV=nRT

n=N/Na

これにより
1/2 ×m ⟨v²​⟩=3/2 ・R/Na・T=3/2 Kb T

R(気体定数)/Na(アボガドロ定数)=Kb(ボルツマン定数)

んなんと!!運動エネルギーは温度に比例するという直感的にも非常にもわかりやすい事実にたどり着きました!!!

1/2 ×m ⟨v²​⟩ × N = 3/2 N ・R/Na /・T=3/2nRT

これば内部エネルギーになるわけです!!

ーーーー

1. エントロピーとは?
熱いスープが冷める これは通常元の状態に戻ることはありません。
これを数式でなんとか表現しようとします。
これがエントロピーです。

エントロピーを考えるうえで必要不可欠なのが
カルノーサイクル

なんでそんなのを考えるのかというと

熱エネルギーを力学的エネルギーに変えることで私たちの生活は便利になるので

そもそも熱を力に変えるには?という目的のために
カルノーサイクルがあります。

等温変化と断熱変化を上手に利用して2つの熱源だけで仕事を取り出すことができる熱サイクル
①等温膨張→②断熱膨張→③等温圧縮→④断熱圧縮

等温膨張では高温熱源と接触させる(膨張すると熱は下がるから)
等温圧縮では低温熱源と接触させる

①等温膨張
1→2に変化する
ΔU12=Q12+W12=0
Uは内部エネルギー
U=3/2nRT1
等温変化なのでΔU=0

準静的過程とは
非常にゆっくりとした変化のこと

エントロピー()は、系が持つ「乱雑さ」や「情報の欠如」を表す量です。

直感的なイメージ
秩序が高い状態:例えば、机の上がきれいに片付いている状態はエントロピーが低い。
無秩序が高い状態:机の上が散らかっている状態はエントロピーが高い。
エントロピーが高いほど、「状態の可能性が多い」とも解釈できます。

2. エントロピーの熱力学的定義
エントロピーは、熱力学の文脈で次のように定義されます:

ΔS= Tq rev

式の意味
ΔS:エントロピーの変化
q rev:可逆過程での熱量
T:絶対温度(K)
エントロピーは、系が一定の温度で受け取る熱エネルギーと、そのエネルギーがどれだけ分散されるかを関係付けています。

3. エントロピーの統計力学的定義
統計力学では、エントロピーは次のように定義されます:

S=k BlnW
式の意味
S:エントロピー
k B:ボルツマン定数 (1.38×10 −23J/K)
:系が取り得る微視的な状態数
この式は、エントロピーが「可能な微視的状態の数」に依存することを示しています。微視的状態が多い(無秩序が高い)ほどエントロピーは大きくなります。

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